脳と発達
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市立札幌病院小児科における重症心身障害児 (大島分類1)
7年間の診療実態
石川 丹福島 直樹高瀬 愛子我妻 義則
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1994 年 26 巻 1 号 p. 20-25

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抄録

1992年までの7年間に市立札幌病院小児科で診療した大島分類1に属する在宅重症心身障害児73名について臨床的検討を加えた.
発症年齢は82%が, 初診年齢は52%が1歳未満であった.年毎の患児数は1986年は29名であったのに対して1992年は54名と増加していた.原因疾患は65%が先天異常と新生児期疾患であった.
状態像は以下の通りである.経鼻チューブ栄養例33名 (45%), 気管切開術施行例10名 (14%), 在宅酸素療法例8名 (11%), 人工呼吸管理経験例21名 (29%), 人工呼吸器使用下1年以上入院例2名であった.てんかん発作合併例は49名 (67%) で, うち29名 (59%) は発作が抑制されていた.
入院歴を63名 (86%) に認め, 延べ入院回数は343回で, そのうち半数は呼吸を巡る疾病であった.近年, 2カ月以上の長期入院例が増えていた.
死亡例は10名で, うち肺炎による者は1名のみ, 原因不明の突然の死亡を3名にみた.

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© 日本小児小児神経学会
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