脳と発達
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Lidocaineが痙攣の起源決定に有用であった, 脳内迷入シャントチューブによる不応性痙攣重積の1例
小林 治岩崎 裕治山内 秀雄須貝 研司
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1994 年 26 巻 4 号 p. 329-334

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抄録

脳内に迷入した硬膜下シャントチューブによる不応性痙攣重積を経験した. 痙攣重積は難治性であり, pentobarbital (PTB) の持続静注により止まったが, PTBを漸減すると再び重積状態となった. 発作時脳波では全誘導から同時に発作波が開始されており, てんかん焦点が不明であった. しかし, lidocaine静注により発作は完全には抑制されなかったが, 脳波上発作がシャントチューブの迷入していた右前側頭部を起始として二次性全般化していることが明らかになった. 通常の脳波所見からは原発全般発作と考えられる痙攣重積の中には二次性全般化によるものが含まれている可能性があり, その鑑別検査としてlidocaineの投与が有用であると思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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