脳と発達
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脳室周囲白質軟化症における出生予定日の頭部CTの意義
奥村 彰久早川 文雄久野 邦義夏目 淳渡辺 一功
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1994 年 26 巻 6 号 p. 475-479

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抄録

脳室周囲白質軟化症 (PVL) 17例の出生予定日の頭部CT所見を, 正常発達を確認した児50例と比較した.脳室周囲白質の域性低吸収域は正常発達児の40%に認められ, 必ずしも病的な所見とはいえなかった.それに対し, 脳室周囲白質の孤立性低吸収域・脳室壁の不整・半卵円中心の著明な低吸収域はPVLに特徴的であった.新生児期CT所見が軽度・中等度異常の例では, 年長に達した時点のMRI所見とは55%で, 運動発達予後とは50%で, 異常の程度が一致した.CT所見が重度異常の児はMRI所見・予後とも重篤であった.重症のPVLでは半卵円中心の著明な低吸収域が特徴的で, その範囲はMRI所見・予後と関連が認められた.

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© 日本小児小児神経学会
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