抄録
自閉症患者の脳幹, 小脳の発達について磁気共鳴画像を用いて検討した.自閉症患者では対照に比し小脳, 脳幹の正中矢状断層像での面積が有意に小さかったが, 加齢とともにその面積は増加し, 発達現象がみられた.発達のスピードは橋, 小脳虫部小葉I-V, VI-IVでは自閉症で有意に速く, 加齢とともに対照に追い付いていったが, 他の部位では差がなかった.小脳, 脳幹と年齢との回帰曲線のy切片は対照に比し自閉症で有意に低値であった.これらの結果は自閉症患者の後頭蓋窩脳構造の変化は生後まもなくもしくは出生前に生じ, 進行性ではないことが示唆された.