脳と発達
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Carbamazepineにより発作が増悪した小児の症候性部分てんかん
宮本 晶恵高橋 悟沖 潤一伊藤 淳一長 和彦
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1995 年 27 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

年間に部分発作をもつ患児178例にcarbamazepine (CBZ) を投与し, 4例 (2.2%) でてんかん発作が増悪した.年齢は11カ月から12歳, 低酸素性虚血性脳症2例, 頭部外傷と異所性灰白質各1例で脳の比較的広範な障害に伴う症候性部分てんかんであった.CBZ投与後, 全例, 部分発作が増悪し, 1例は脱力発作も新たに出現した.脳波は, CBZ開始前は全例, 焦点性棘波, 棘徐波であったが, 開始後2例で全般性棘徐波複合が出現した.CBZ血中濃度は7.0~9.5μg/mlと治療域内であった.CBZを中止しphenytoinに変更した後, いずれも発作は良好にコントロールされ, 脳波では焦点性異常波のみが残存した.

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© 日本小児小児神経学会
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