1995 年 27 巻 3 号 p. 184-190
新生児仮死後に多嚢胞性脳軟化症を認めた第5生日児の総頸動脈血流量波形を多次元自己回帰モデルを用いてスペクトル解析し, 正常対照児35例と比較した. その結果, トータルパワーが-2.3SDと低下し, さらに要素波解析を施すと, 減衰周波数が11.15Hzである要素波のパワー,%パワー, 情報活動量, 減衰時間がいずれも一2SD以下に低下していた.また, 前大脳動脈のPulsatility Indexが0.76と上昇していた.
以上の結果から, 多嚢胞性脳軟化症において血管攣縮などの脳血管抵抗上昇を伴った脳血流量低下が示唆された.