脳と発達
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小舞踏病におけるhaloperidolの治療効果
宮川 美知子大久保 修渕上 達夫藤田 之彦森内 理加日吉 一夫江尻 和夫原田 研介
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キーワード: 小舞踏病, リウマチ熱
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1995 年 27 巻 3 号 p. 191-196

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抄録

リウマチ熱は, A群β溶連菌の感染の結果として起こる非化膿性炎症性疾患であり, その10~15%に小舞踏病を合併することが知られている. 当科では, 1984年から1993年までの10年間に11例のリウマチ熱の患児が受診し, この内2例に小舞踏病を合併した. 症例1は12歳男児, 症例2は14歳女児で, 両者とも咽頭炎発症後に不随意運動が出現し, 当科に入院した. 2例とも, 小舞踏病についてはpredonisoloneよりもhaloperidolの投与のほうが, 容易に舞踏病様症状が軽快した. また, 髄液中のGABAとdopamineを経時的に測定したところ, GABAについては大きな変動はみられなかったが, dopamineは症状の軽快に伴い減少した.

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© 日本小児小児神経学会
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