1995 年 27 巻 5 号 p. 383-387
早期乳児てんかん性脳症 (EIEE) で発症し, West症候群変容期にケトン食療法が発作抑制に有効であった難治性てんかんの1例を経験した. 患児は生後1カ月よりシリーズ形成性のtonic spasmsと半身の間代性けいれんを認め, 脳波ではsuppression-burst patternを示した. ビタミンB6大量療法, TRH療法に抵抗性で, 合成ACTH療法により発作が一時的に消失したものの減量中より再発し, さらにCT上著明な脳退縮を示した. ケトン食療法を開始したところ早期に発作が消失した. EIEEにおいて, ケトン食療法は早期から試みてみるべき治療法であると考えられた.