脳室周囲白質軟化症 (以下, PVL) は未熟児の脳性麻痺の原因として注目されている.今回, われわれは5年間の松戸市立病院新生児科に入院した在胎36週未満の未熟児で, 入院中反復して超音波検査を施行し, 1年以上経過観察できた708例について検討し, PVLの診断基準案を作成した.頭部超音波検査では嚢胞病変・脳室周囲高エコー域 (以下, PVE2) の一部 (14.9%) とPVE3が臨床的にPVLと診断された.頭部MRI検査は臨床症状とよく合致し, 所見の合併が多いほど麻痺症状は強かった.この診断基準を用いることにより神経症状を呈するPVLの診断が可能であると考えられた.