脳と発達
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反復性頭痛・嘔吐発作と高音域の感音性難聴を伴う脳表ヘモジデリン沈着症の1例
糸数 直哉田原 浩一朗井上 忍園田 徹小玉 隆男
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1996 年 28 巻 4 号 p. 347-351

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抄録

脳表ヘモジデリン沈着症の13歳男児を報告する.母親の家系には症例を含めて高音域の難聴者が多数いたが, その他の神経学的症状は随伴しなかった.8歳頃から前兆のない発作性の拍動性頭痛が激しい嘔吐を伴って反復して出現した.頭痛発作時の意識は清明で, そのほかの神経学的所見, 脳波と頭部CTは正常であった.12歳のときに行ったMRIのT2強調画像では, 小脳虫部, 両側頭頂葉, 前頭葉の両側大脳縦裂, 頸髄と上部胸髄の表層の低信号を認めた.髄液検査でキサントクロミーや淡血性の外観と蛋白の軽度の上昇がみられたことから, 脳表ヘモジデリン沈着症と診断した.MR-angiographyと脳血管造影検査では出血源は確認できなかった.

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© 日本小児小児神経学会
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