神経細胞移動障害は, MRIによって灰白質, 白質の区別がはっきりつくようになって正確になり, 診断が容易に下せるようになってきた.てんかんや脳性麻痺, 精神遅滞などの小児神経疾患の原因として注目されてきている.
種々の脳奇形, 正中構造の異常, 全前脳症は脳溝形成期と時期が重なるため, 神経細胞移動障害を伴うことが多い.
神経細胞移動障害の種々の疾患のうち, 小脳低形成を伴った滑脳症, 局在関連性てんかんをきたした厚脳回, 結節性および層状異所性灰白質の画像を呈示するとともに, 神経細胞移動期に起こる脳奇形やその他の疾患との関連について述べた.