脳と発達
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テオフィリン関連性痙攣後, 4年を経過して発症し, 海馬および視床に病巣を認めたてんかんの1例
上野 誠小枝 達也前垣 義弘
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1997 年 29 巻 5 号 p. 406-410

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抄録

テオフィリン中毒が関連したと考えられる痙攣重積から4年7カ月を経て複雑部分発作を発症したてんかん男児例を報告した. MRIにて左側の海馬に硬化性変化および左視床に小梗塞と思われる病変が認められた. 脳波の異常は, 左側優位のθ波群発であり, 今回のてんかん発症には, 左大脳半球の器質病変が関与していると考えられた. また, これらの器質病変の成立には, テオフィリン関連性痙攣の関与が疑われ, その発生機序について考察した.

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© 日本小児小児神経学会
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