脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
小児神経疾患死亡例
市立札幌病院1985~1996
石川 丹
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 30 巻 1 号 p. 47-50

詳細
抄録

市立札幌病院小児科における1985~1996年の死亡例を検討した。神経疾患死亡例は42例で総数72例の58%を占め, 小児科臨床における神経学の重要性が示唆された.神経疾患のうち慢性神経疾患は32例 (76%), 急性神経疾患は10例 (24%) であった.死亡時年齢分布では神経疾患例は非神経疾患例に比べて幼児期が多い傾向を認めた.重症心身障害児 (大島分類1) を23例 (42例の55%) 数え, 発達障害を示した例は29名 (42例の69%) であった.急性脳症・Reye症候群による死亡は11例であった.慢性例の直接死因は呼吸を巡る原因が11例と多かったが肺炎は1例のみ, ついで「予期せぬ死」を5例に, 急性脳症・Reye症候群を4例に認めた.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top