1998 年 30 巻 1 号 p. 51-55
小児自閉症の一部において, 脳内セロトニン, カテコラミンの低下がありうるという仮説に基づき, 自閉症児に対しカテコラミンの前駆物質である1-dopa少量投与を行い, 症状改善の有無をcross-over designによる二重盲検試験により検討した.Cross-over analysisでは順序効果, 時期による効果, 薬剤効果を検討したが, 薬剤の有効性は認められなかった.しかし症例によっては, 一部症状の改善の認められた例が20%あった.