脳と発達
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Duchenne型/Becker型筋ジストロフィー
竹島 泰弘
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1998 年 30 巻 2 号 p. 141-147

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抄録

Duchenne型/Becker型筋ジストロフィーの責任遺伝子であるジストロフィン遺伝子を解析していく上で, 臨床上問題となる点として,(1) 遺伝子型と表現型の関係,(2) 保因者診断,(3) 骨格筋以外の症状についてとりあげた. (1) についてはframe-shift仮説によって説明することが可能であるが, 種々の転写後修飾などにより例外を示す症例がある. (2) の保因者診断では, マイクロサテライト多型による非保因者診断を紹介した. (3) ではジストロフィン遺伝子異常による心筋症, 精神発達遅滞があるが, 今後の課題である. 本症の遺伝子診断は画一的なものではなく, ゲノムDNA, mRNA, 蛋白質, 臨床症状などから総合的に判断していくことが必要である.

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© 日本小児小児神経学会
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