脳と発達
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重度脳性麻痺児の療育の基盤としての医療
QOL改善のためのケアの進歩と課題
北住 映二
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1998 年 30 巻 3 号 p. 207-214

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抄録

家庭で生活する重度重症の脳性麻痺児が増加しているが, 多様な医療的問題への適切な対応が地域療育の基盤となる. 呼吸障害に対する経鼻咽頭エアウェイ法・姿勢管理・呼吸理学 (換気介助) 療法・非侵襲的換気補助療法・上部消化管障害への経鼻空腸栄養カテーテル法・姿勢管理・適期の胃食道逆流防止手術・嚥下障害誤嚥に対するビデオ透視嚥下検査による適切評価・経口ネラトン法・誤嚥防止手術など, 最近の対応の進歩は, 様々な意味でquality of life (QOL) の改善をもたらす. 学校教師等, 地域生活の場でかかわる人々との共同作業によって適切な医療的対応が可能となる. 経管栄養注入等の医療的ケアが家族の過重負担によってではなく, 学校や通所施設において行われるようになることが必要である.

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© 日本小児小児神経学会
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