1998 年 30 巻 3 号 p. 227-232
脳性麻痺などの運動発達障害児に対して, 種々のテクノエイド (technical aid: 補助器具) が, 日常生活動作 (ADL) の自立やquality of life (QOL) の向上を目的として療育や生活の場面で活用され, 成果を上げている. その中でも姿勢保持, 移動そしてコミュニケーションは, 脳性麻痺児の能力や意欲を高めるための重要なテーマである.
しかしテクノエイドは本来補助的な手段であり, 主体である障害児の潜在能力を引き出し, 自立や自己決定する力を身につけるために, 家族や療育スタッフが生活の中でそれを活用することが望まれる. 今後は新製品の開発だけでなく, その有効な使い方を普及させることが必要不可欠である.