脳と発達
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γグロブリン静注後も症状が進行し, 続いて施行した免疫吸着療法後に劇的に症状が改善した重症Guillain-Barré症候群の7歳女児例
渡邊 次夫松浦 恩来夏目 淳久保田 登志子中島 佐智恵麻生 幸三郎根来 民子渡辺 一功
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1998 年 30 巻 3 号 p. 255-260

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抄録

重篤なGuillain-Barre症候群 (GBS) に罹患し, 免疫吸着療法後, 劇的に症状が改善した7歳女児について報告した. この症例では急激に症状が進行し, 発症7日目にほぼ四肢麻痺となり補助呼吸を要した. 自律神経症状, 末梢神経伝導速度の遅延, 髄液蛋白/細胞解離などがみられた. γグロブリンを5日間投与したが病状はむしろ悪化し, 10病日から9回免疫吸着療法を行った. 免疫吸着療法を5回行った頃から病状は改善傾向を示し, 免疫吸着療法開始後16日で抜管, 41日目には歩行が可能となり, 全く後遺症を残さなかった. 免疫吸着療法中, 重篤な合併症はなかった. この症例はGBSに対する免疫吸着療法の有効性を示唆している.

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© 日本小児小児神経学会
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