脳と発達
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X-linked α-thalassemia/mental retardation syndrome (ATR-X) の3症例
和田 敬仁中村 美保子松下 友子山田 美智子山下 純正岩本 弘子升野 光雄今泉 清黒木 良和
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1998 年 30 巻 4 号 p. 283-289

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抄録

linked α-thalassemia/mental retardation syndrome (ATR-X) は, 1991年にWilkieらが初めて報告した疾患で, 重度精神運動発達遅滞, 特徴的顔貌, 外性器異常, 軽度のHbHを持つことを特徴としている.
今まで, 欧米で50例近くが報告されているが, わが国では数例が報告されているのみである. 我々は, 2家系, 3症例で本症候群と診断したので報告した. 共通した姿勢を好み, 自分で嘔吐を誘発させる, 頸をしめるといった異常行動が観察され診断的価値があると思われた. 重度精神運動発達遅滞を示す男性の症例では, ATR-Xを鑑別診断の一つとして考慮すべきである.

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© 日本小児小児神経学会
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