脳と発達
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重症心身障害児・者における頭部CT所見の経年的変化
平松 公三郎馬場 輝実子
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1998 年 30 巻 4 号 p. 295-299

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抄録

20年以上長期にわたり施設入院している重症心身障害を示す脳性麻痺14名に頭部CT検査を12. 7±5.0年の間隔をあけて2回施行した. 平均年齢18.9±5.0歳の時点ですでにくも膜下腔の拡大, 脳室拡大があり脳萎縮がみられた. 平均年齢31.6±5.3歳の時点での頭部CTでは脳脊髄液腔の増大がみられた. 経年的に脳萎縮が進行していることがわかった. その進行においてはくも膜下腔の拡大が主であり, 正常加齢現象による脳萎縮の進行とは異なった変化を示した. 中枢神経系における重症心身障害児・者に共通する病態としてくも膜下腔の経年的な拡大が示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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