1999 年 31 巻 3 号 p. 280-281
伝染性軟属腫摘除時の疼痛軽減目的で, 7%lidocaineクリームを体表の約50%に塗布した1時間後に, 強直間代性けいれんが誘発された1女児例を報告する.塗布1.5時間後の血中濃度6.9μg/ml, 8時間後の髄液中濃度1.2μg/mlであり, 経皮吸収により中枢神経系副作用をきたしたものと考えられる.脳波所見は正中線棘波 (midline spike) を認めた.Lidocaineは帯状回から辺縁系に作用してけいれんを誘発することが知られており, midline spikeを有する本症例のけいれんを惹起した可能性が示唆される.小児はけいれん惹起性が強いため, lidocaineの局所麻酔剤の使用は慎重に行うことが肝要と思われる.