1999 年 31 巻 4 号 p. 323-328
症候性West症候群の初発例 (19例) を対象にsingle photon emission computed tomography (SPECT) 検査を行い, 発作間欠期の脳血流を評価した.SPECT所見により,(1) 正常 (A群, 7例),(2) CT/MRI上の病変部位に一致して脳血流異常を認めるもの (B群, 6例),(3) CT/MRI上の病変部位とは一致しない脳血流異常を認めるもの (C群, 6例) の3群に分類し, 各群の臨床像および予後を比較検討した.臨床像 (男女比, 発症年齢, 先行発作の有無, 発症時の発達の遅れ/神経学的異常, 脳波所見) は3群間に有意な差は認めなかった.初期治療 (ビタミンB6大量療法→ 抗てんかん薬療法→ACTH療法) の有効性はB群 (6例中4例), C群 (6例中5例) に比べ, A群 (7例中2例) で最も低かった (統計学的に有意差なし).短期予後 (平均追跡期間, 2年8カ月) に関しても発達, 発作ともにA群で最も予後不良であった (統計学的に有意差なし).症候性West症候群において, 初発時の発作間欠期SPECT所見が正常であることはむしろ予後不良の指標と考えられた.