2000 年 32 巻 1 号 p. 25-28
学習障害の読字障害を診断するための基礎的な資料として, 健常学童集団におけるToken testの得点分布を示した.Token testを聴覚刺激提示 (読み聞かせる) と視覚刺激提示 (読字させる) の両方で実施し, 聴覚刺激提示で高得点, 視覚刺激提示で低得点, そして両方の得点に有意な解離が存在することが, 診断に必要であると考えられた.Token testを2つの刺激提示法で実施することは, 特異的読字障害 (specific reading disorder) の診断に簡便で有用な方法と考えられた.