脳と発達
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徐波睡眠時に持続性棘徐波を示すてんかんの2症例における事象関連電位 (P300) の検討
河野 親彦
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2000 年 32 巻 1 号 p. 44-48

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抄録

徐波睡眠時に持続性棘徐波を示すてんかんすなわちepilepsy with continuous spikewavesduring slow wave sleep (ECSWS) 1例とatypical benign partial epilepsy (ABPE) 1例について, 事象関連電位 (P300) を経時的に施行し同定しえた.これら2例では, 睡眠時脳波に持続性広汎性棘徐波を示す時期には, P300潜時の著明な延長を認めた.また, 2例とも臨床的脳波学的改善に伴い, P300潜時も正常化した.P300は, 徐波睡眠時に持続性棘徐波を示すてんかんの病態生理の解明の一助になると考えられる.

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© 日本小児小児神経学会
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