脳と発達
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Theophylline関連けいれんにおけるvitamin B6の低下
瀬戸 俊之稲田 浩小林 紀男多田 博史古川 恭子林 かおる服部 英司松岡 收一色 玄
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2000 年 32 巻 4 号 p. 295-300

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抄録

Theophylline製剤投与中の児にけいれんが生じやすい要因として, 血清vitamin B, 値の低下の関与を検討する目的で, 血清中のpyridoxal (PAL) 値を測定した. Theophylline服用中の児 (n=31) では対照群 (n=21) と比較し, PAL値は有意に低下していた (P<0.05).Theophylline血中濃度とPAL値との間には有意な相関を認めなかった. 一方, theophylline投与児において, けいれん発作をきたし, 発作後24時間以内にPAL値を測定し得た4症例において, 3例で低値を認めた. 以上より, theophylline関連けいれんでは, theophylline投与によるvitamin B6値の低下がけいれんの発症に関与している可能性が示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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