脳と発達
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急に立とうとしなくなり急性小脳失調症が疑われた乳幼児の3例
松岡 太郎申 耕嗣本田 敦子永井 利三郎
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2000 年 32 巻 5 号 p. 430-433

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抄録

「立とうとしなくなった」ことを主訴に来院した3例を経験した.全例伝い歩きや独歩を獲得したばかりの乳幼児であった.冬期に発症し先行感染があった.症状の出現から完成までは半日から1日間と比較的急であった.下肢の麻痺や明らかな筋力低下はなかった.眼振, 体幹の動揺, 上肢の振戦はなく神経症候を小脳性運動失調であると断定するのは困難であった.2例で軽度の髄液細胞増多を認めた.全例とも経過観察のみで数日以内に立ち上がるようになったが, 回復期に病前に比しふらつきが目立ち, 軽症の急性小脳失調症 (ACA) が疑われた.乳幼児期のACAは見逃されている可能性が高く, 日常の一般小児科臨床の場で留意すべきと考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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