脳と発達
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Benign myoclonus of early infancyの1例
石田 喬士
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2000 年 32 巻 6 号 p. 538-542

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抄録

Benign myoclonus of early infancy (以下BMEI) の1例を報告した.患児は発達正常な生後8カ月の男児で, 生後6カ月から覚醒時にシリーズ形成性スパズムが出現した.初診時神経学的に正常で, 発作間欠時および発作時脳波にてんかん性異常は認められなかった.無治療で経過観察したところ生後9カ月 (発症後約3カ月) で発作は完全に消失した.2歳0カ月まで経過を観察したが精神, 運動発達は正常で, 脳波上てんかん発射は出現せず, その他の発作症状も認められていない.
BMEIは非てんかん性発作現象と考えられ, 予後良好であるので無益な抗痙攣剤の投与を回避するためにもてんかん症候群特にWest症候群との鑑別が重要である.

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© 日本小児小児神経学会
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