脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
重症心身障害児者医療におけるラテックスアレルギーの検討
栗原 まな熊谷 公明中江 陽一郎栗原 和幸
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 33 巻 3 号 p. 241-245

詳細
抄録

重症心身障害児 (重症児) 者医療でのラテックスアレルギーの報告は少ない. 当センター内の重症児施設入所者にラテックスアレルギーによるアナフィラキシー反応が発生し, これを機に重症児者58例を対象にラテックスアレルギーの検討をした. 臨床的なラテックスアレルギーは1例のみに認められ, ラテックス特異IgE陽性 (クラス2以上) 例は15例 (25.9%) であった. ラテックス特異IgE陽性群はアレルギー疾患の既往が多いが, アレルギー疾患の既往がない例では, 浣腸・導尿時のカテーテルや職員の使用する手袋などの医療用ラテックス製品の使用頻度と手術の既往が多かった. またラテックス除去の環境を設定した結果, ラテックス特異IgE は全陽性者で低下した. 重症児者医療においてもラテックスアレルギーに対する十分な認識が必要である.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top