脳と発達
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ショックを伴う急性脳症の病態に関する検討
木村 清次大槻 則行根津 敦夫
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2001 年 33 巻 3 号 p. 259-263

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抄録

ウイルス感染で誘発されるショックを伴う急性脳症症候群 (acute encephalopathy withshock syndrome; AESS) 例の中から病態を示唆する3例を提示した. 症例1は剖検で中枢神経内の血管漏出性病変, 症例2は頭部CTスキャンで脳表を主とした血管の顕著な造影効果を認め, AESSの主病態が血管の透過性亢進であると推察された. また, 症例3でinterleukin 6を検索し顕著な上昇を認めた. 他のサイトカインは測定せず断定しにくいが, AESSの発症または増悪因子として高サイトカイン血症の関与の可能性も示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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