脳と発達
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帯状疱疹による髄膜炎の2例
髄液中interleukin-6の検討
大府 正治益崎 まゆみ井上 秀一郎井上 貴仁安元 佐和小川 厚友田 靖子津留 徳満留 昭久
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キーワード: 水痘・帯状庖疹, 髄膜炎
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2001 年 33 巻 3 号 p. 270-275

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抄録

症例は9歳と14歳の免疫不全状態ではない健康小児. 水庖疹, 発熱, 頭痛, 嘔吐で発症し, 髄液圧上昇・髄液細胞数増多を呈した. 髄液中にpolymerase chain reaction法で水痘・帯状庖疹ウイルス (VZV)-DNAが検出され, VZVによる髄膜炎と診断しアシクロビル投与で軽快した. 髄液中interleukin-6 (IL-6) は急性期に上昇し回復期に正常化した. 血中IL-6は正常であった. 髄液中のVZV-DNA陽性とIL-6の上昇はVZVによる局所の炎症が示唆され, 帯状庖疹に伴う髄膜炎はVZVの中枢神経系への直接的侵襲により惹起されると考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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