脳と発達
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画像, 臨床生化学からみた病態
松石 豊次郎山下 裕史朗
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2002 年 34 巻 3 号 p. 207-210

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抄録

Rett症候群 (RTT) は現在までの臨床的研究, 電気生理, 神経生化学, 神経病理, CT, MRIやPET, SPECTなどの画像研究からノルアドレナリン, セロトニン, ドーパミン系, コリン系, グルタミン酸やNMDA, GABAレセプター, 神経ペプチド, 神経栄養因子, その他多くの神経伝達物質などが病態に関与していると考えられている.
これまでに解明されたMRI, PET, SPECTなどを用いた神経放射線学的な研究, および脳脊髄液や剖検脳の免疫組織学的研究, 神経生化学的研究, β-エンドルフィンやサブスタンスPなどの神経ペプチド, および神経修飾因子であるβ-フェニルエチラミンの役割を我々のデータを含め紹介した.最近開発されたmethyl CpG binding protein 2遺伝子のノックアウトマウスはRTTのモデル動物で本症の解明に重要な糸口を与えると考えられる.

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© 日本小児小児神経学会
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