2002 年 34 巻 3 号 p. 249-253
各種の心理的治療や薬物治療に不応であった自閉症児の自傷行為や他者への攻撃行動に対して, 選択的セロトニン再取込阻害薬のfluvoxamineを試みた. 5症例中2症例で, それらの行動異常が著しく改善し, それらの行動が療育上の問題とならなくなった. 1症例ではやや改善をみた. Haloperidolとの併用になった1症例で, 耐え難い眠気の副作用のため, fluvoxamine投与を継続できなかった以外には, 目立った副作用はなかった. 自閉症児の自傷行為や攻撃行動に対して, fluvoxamine投与は, 今後, 試みてみてもよい治療法であると考えられた.