脳と発達
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正中神経刺激による短潜時体性感覚誘発電位 (MN-SSEPs)
前頭部導出P22とN30の頭頂部誘発波からの独立性
福田 千佐子冨田 豊前垣 義弘
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2002 年 34 巻 4 号 p. 295-299

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抄録

小児において短潜時体性感覚誘発電位が, 前頭葉機能の一部として測定可能かどうかを3歳から成人までの計49名 (のべ検査回数87回) を年齢を追いながら, また年齢に応じてグループ分けして検討した.安静覚醒, 一部睡眠下 (stage I, II) にて正申神経を手関節で刺激した.前頭部のP22は頭頂葉のN20との関係を, また前頭部のN30は頭頂葉の誘発波形からどれほど相違しているかを検討した.P22とN20のピーク潜時差は-1.5~1.5msecに分布し, 幼児前期と成人期, および学齢期と成人期で統計的有意差が認められた.N30は3~4歳では頭頂葉の陰性波とかなり類似しているが, 5歳以降独立し始め, 6歳以降は波形上の類似性が消失した.従って少なくともN30は5歳以降では前頭葉の要素波として検討に値する.

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© 日本小児小児神経学会
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