2002 年 34 巻 4 号 p. 330-335
7例の福山型先天性筋ジストロフィー (FCMD) 年長患者の長期臨床経過について検討した.最高到達運動機能は不完全な頸定からつかまり立ちまでであった.6例がてんかんを併発したが, 全例で発作が抗痙攣薬にて抑制された.5例が15~20歳の間に長期人工呼吸を開始し, 3 例が気管切開による間欠的陽圧式人工呼吸を, 1994年以降の2例は鼻マスクによる間欠的陽圧式人工呼吸 (NIPPV) を行った.4例でmechanical in-exsufflation (MI-E) を併用し, 呼吸機能の改善, 下気道感染の軽減を得た.FCMD年長患者における運動, 知能, 呼吸, 栄養, 循環, 喉咽頭機能を経時的に評価し, NIPPVやMI-Eを含めたマネジメントを行う臨床的意義について検討した.