脳と発達
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精神遅滞の医学的診断と療育連携に関する研究
第3報医学的診断検査の選択および有所見率の実態調査
田中 恭子堀口 寿広稲垣 真澄加我 牧子
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キーワード: 精神遅滞, 医学的検査, 診断
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2003 年 35 巻 5 号 p. 373-379

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抄録

医学的検査の選択状況とその有用性を評価する目的で, 初診時に精神遅滞 (MR) が疑われた196名において, 診療記録をもとに後方視的に調査した.実施率の高かった検査は中枢神経系検査, 知能・発達検査, 一般血液検査であり, 前2者は有所見率も高かった.染色体検査は実施率, 有所見率とも比較的高かったが, 遺伝子検査の実施には慎重な立場をとる医師が多かった.問診や理学的所見のみからでは誤診や見逃しの可能性があることから, MRの正確な診断には適切な医学的検査の実施が必要であり, その要素として倫理面でコンセンサスが得られ, 比較的容易な検査内容であることが望ましいと思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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