2004 年 36 巻 4 号 p. 339-341
肝機能の評価は, 一般的には血清トランスアミナーゼ値が用いられている.しかし, トランスアミナーゼは肝臓だけでなく骨格筋, 心筋などにも存在するので, 肝臓以外の臓器の障害により血中に逸脱する.Duchenne型筋ジストロフィー患者では筋肉の病変のために異常値を示し, 変動する.今回, 血清イソクエン酸脱水素酵素 (ICDH) 値を測定し, 血清トランスアミナーゼ値と比較検討した.Duchenne型筋ジストロフィー患者の肝機能評価には血清トランスアミナーゼ値よりICDH値の方が特異性の点で優れている結果を得た.