2004 年 36 巻 5 号 p. 365-371
小児神経科医師を対象として, 発達障害児 (者) の利用できる医療・社会福祉的支援制度・サービスの活用状況の実態を調査した.113人の回答者の多くが経験年数や勤務先によらずさまざまな制度を活用していた.各制度の利用頻度は診療対象となる児・者の実数や疾患内容や状態と関連していた.障害児 (者) の権利擁護を含め地域コミュニティケアに関する制度の利用および知識は少なかった.医師は自身の診療対象児・者の年齢や状態によらず広く制度について熟知することで, 発達障害児 (者) の社会参加に向けた地域での生活を支援することができると考える。