脳と発達
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乳児期後半から発達遅滞を認めた歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 (DRPLA) の1例
金山 学塚本 東子宮地 泰士濱口 貴代藤本 伸治石川 達也戸苅 創
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2004 年 36 巻 5 号 p. 407-412

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抄録

早期発症の歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 (dentatorubral-pallidoluysian atrophy: DRPLA) の症例 (女児) を経験した.症例は生後6カ月に座位を獲得するまでは正常発達.その後, 発達遅滞が見られ, 加えて小脳失調症状を伴い, 4歳6カ月以後ミオクロニー発作が起こってからは発達の退行も見られた.脳波異常があり頭部MRIでも小脳と脳幹の萎縮などの所見が見られた.遺伝子診断で著明に伸長したCAGリピート (17/74) が見られDRPLAと診断した.
本症例は本児の兄が保因者かどうかを案じた母親に精神的動揺が見られ, 家族の遺伝子診断, 特に発症前遺伝子診断の在り方についても深く考えさせられた症例であった.

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© 日本小児小児神経学会
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