脳と発達
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小児期発症のBell麻痺の臨床所見と経過
田中 学望月 美佳杉山 延喜浜野 晋一郎
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2004 年 36 巻 6 号 p. 461-465

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抄録

小児期発症の特発性顔面神経麻痺 (Bell麻痺) について自験例38例をまとめた.40点法の顔面麻痺スコアの全項目が適用可能であったのはすべて5歳以上であり, この17例を麻痺症状持続3カ月未満の群と3カ月以上の群に分類した.全例が発症6カ月以内に臨床症状スコアで90%以上の改善が認められた.初診時の麻痺スコアは両群で差がなく, 予後は反映しなかった.予後に影響したのは顔面神経の病変部位がどの程度中枢に近いかであった.治療として副腎皮質ステロイドを両群ともそれぞれ半数以上が投与開始されており, 全例で障害固定を防止できた.投与する対象と適用条件については今後も検討を要するものと考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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