脳と発達
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注意欠陥/多動性障害の衝動性に関する検討
荒牧 要右宇野 宏幸
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2004 年 36 巻 6 号 p. 467-472

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抄録

衝動性評価尺度を作成して, 注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) 男児をもつ親への調査を行った.探索的因子分析の結果, 情動の表出, 社会的ルール, 会話のルールと不注意と命名された4つの一次因子が同定された.さらに, 共分散構造分析を実施して, モデルの適合度を吟味した.最終的に採用されたモデルでは, 4つの一次因子が衝動性と認知的問題と命名された独立な高次因子によって説明された.衝動性は一次因子すべてに影響していたが, 認知的問題は不注意へのみ有意に影響を及ぼしていた.一次因子の得点をAD/HDの3つのサブタイプと通常学級群問で比較した結果, サブタイプごとに衝動的行動特徴が異なることが示された.

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© 日本小児小児神経学会
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