脳と発達
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MECP2遺伝子異常を伴うRett症候群の臨床症状について
三浦 清邦熊谷 俊幸鈴木 淑子大木 隆史松本 昭子宮崎 修次早川 知恵美孫田 信一山田 裕一若松 延昭
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2005 年 37 巻 1 号 p. 39-45

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抄録

メチルCpG結合蛋白2 (MECP2) 遺伝子の異常をもつRett症候群27例 (2歳から37歳) の臨床症状について検討した. 全例で, 有目的な手の機能の低下・喪失後に手の常同運動が出現していた. 2例で周生期異常, 9例で生後6カ月以前の発達異常を認めた. 4歳以上の5例で小頭症を呈さず, 5例の言語保持例を含む合計18例がRett variantsに相当した. 3歳以上の26例中16例が歩行可能で, 22例でてんかんを発症していた. 以上, 本研究により, 臨床的診断基準の必須事項のうち, 出生前・周生期は正常, 生後6カ月までは正常な発達, 頭囲成長の停滞の3項目は, Rett症候群の診断に必須ではないと考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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