脳と発達
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遺伝性銅代謝異常症
特にWilson病の診断および最新の治療
青木 継稔
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2005 年 37 巻 2 号 p. 99-109

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抄録

1993年にMenkes病責任遺伝子およびWilson病責任遺伝子がクローニングされ, これらの遺伝子から誘導される蛋白はATPase familyの一つであり, いずれも細胞内銅輸送膜蛋白であり両者はhomologyが高く, 前者はATP-7A, 後者はATP-7Bと名付けられた.ATP-7AとATP-7Bの発見を契機にWilson病とMenkes病の分子病態が明らかにされた.本稿においては, Wilson病を中心に, 臨床像, 特に神経症状や精神症状, 遺伝子と分子病態および病態生理, 診断方法および最新の治療について私見を交えて解説した.特に, Wilson病の具体的な治療, また神経症状を有する場合の治療計画等について示した.亜鉛薬やテトラチオモリブデート療法についても述べた.

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© 日本小児小児神経学会
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