滋賀県立小児保健医療センターに2002年11月から2003年10月までの1年間に受診したてんかん患者は810人で, 186人 (23%) が18歳以上であり, セカンドオピニオンのための受診や検査のみの患者を除くと162人 (男52%, 女48%) が継続して受診していた.56%で発作が抑制されておらず, 症候性てんかんが80%以上を占めていた.身体障害または知的障害の合併が78%, 精神疾患の合併は6%, 生活習慣病などの内科疾患の合併が11%に認められた.一般就労は15%, 結婚経験は4%, 運転免許は8%が保有しているのみであった.我々の施設の特色として複合障害をもった人が多く, 70%以上が自立出来ていなかった.キャリーオーバーするてんかんをもつ子どもは年々増加しており, 早急に対策が必要である.今後の課題としては, 地域の成人病院, 他の診療科とのネットワークの構築が必要である.一方で, 小児神経科医も精神疾患や生活習慣病を治療できるよう, 結婚・妊娠・就労・運転免許取得等の相談にのれるよう学習が必要である.