脳と発達
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脆弱X症候群に対する診断的検査法の指針と疫学的調査の必要性
堀口 寿広加我 牧子稲垣 真澄
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2005 年 37 巻 4 号 p. 301-306

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抄録

全国の知的障害関係施設, 病院などを対象として,(1) 過去1年間の脆弱X症候群の検査数および診断確定数,(2) 利用した検査方法,(3) 検査を考慮する所見,(4) 検査の目的,(5) 検査の説明と同意の方法について調査した.染色体あるいは遺伝子検査は543例に行われ, 診断が確定した数は20歳以上の3例を含む9例 (実施検査件数の1.6%) であった.精神遅滞, 特徴顔貌, 自閉症状などが検査実施の動機として考慮され, 検査目的の多くは原因診断であった.回答医師の半数以上は「説明と同意」の様式を採用していたが共通のものではなかった.成人期に初めて脆弱X症候群が確定診断される場合があることに留意し, わが国独自の検査指針を確立し, 正確な有病率を調査する必要があると思われる.

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© 日本小児小児神経学会
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