脳と発達
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初回無熱性発作の前方視的検討
田辺 卓也原 啓太柏木 充七里 元督鈴木 周平若宮 英司玉井 浩
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2005 年 37 巻 6 号 p. 461-466

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抄録

初回無熱性発作 (FUS;firstunprovoked seizure) の自然経過にもとついた診断, 指導方針を検討した.対象は, 誘因を認めずにてんかん発作 (欠神発作, ミオクロニー発作, てんかん性スパスムスを除く) が初めてみられた45例で, 2例を除き不投薬で2年間以上前方視的に経過観察した.発作の再発がみられたのは30例 (66.7%) で, 1カ月後までに11例, 6カ月後までに24例, 1年後までに26例, 2年後までに30例であった.再発率は全般発作, 熱性けいれんの既往あるいは家族歴あり, 脳波異常あり (特に広汎性発射), 発症前の発達障害あり, の場合が比較的高率であった.FUSを呈した後, 少なくとも1/3の症例では2年以内に治療を要するような発作再発を認めておらず, まず不投薬で経過観察を行うことを基本に方針を検討することが合理的であると考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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