脳と発達
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重症心身障害児 (者) における気管軟化症の臨床的検討
水野 勇司宇梶 光大郎
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2005 年 37 巻 6 号 p. 505-511

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抄録

気管支鏡検査で気管軟化症と確定診断した17例と疑診例1例の計18例の重症心身障害児 (者) を対象に, 臨床背景, 気管支鏡所見, 対策, 転帰に関して検討した.年齢は2歳から41歳 (平均22.8歳) で, 脳性麻痺が14例, その他の神経筋疾患が4例であった.合併症として胸郭扁平, 側彎, 反復性気道感染が80%以上の症例で認められた.気管支鏡ビデオ記録から算出した狭窄率は平均73.6%で, 100%の完全閉塞が3例あった.刀鞘型はなく, 三日月型と扁平型で占めた.一過性, 突発的なチアノーゼ発作や呼吸困難・呼吸停止で発症したものが13例であった.重症心身障害児 (者) の突然死の原因の一つに気管軟化症があげられる.調節型気管カニューレを6例に適用し, 有意の狭窄率の改善が得られた.

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© 日本小児小児神経学会
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