脳と発達
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急性期に脳血流量増加が認められたけいれん群発型ヒトヘルペスウイルス6型 (HHV-6) 脳症の1例
長澤 哲郎木村 育美阿部 裕一岡 明
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2006 年 38 巻 4 号 p. 295-298

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抄録

ヒトヘルペスウイルス6型 (HHV-6) による脳炎・脳症のうち, 解熱・発疹期に短時間のけいれんが群発する症例の報告が散見される. 今回,この「けいれん群発型HHV-6脳症」において,急性期にsingle photon emission computed tomography (SPECT) にて患側の脳血流量増加が示された.これまで, けいれん群発型HHV-6脳症におけるSPECTでは全例で脳血流量の低下が報告されているが, いずれも慢性期に測定されていた. 本症例では,けいれん群発当日に患側大脳半球で血流量増加が認められた. けいれん群発型HHV-6脳症は予後不良例も報告されており, 今回はじめて血流量増加が確認されたことは, この脳症の病態解明と治療を検討する上で意義があると考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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