脳と発達
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Reading disorder児における衝動性眼球運動の検討
奥村 智人若宮 英司鈴木 周平玉井 浩
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2006 年 38 巻 5 号 p. 347-352

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抄録

衝動性眼球運動の障害がreading disorder (RD)の原因であるとの報告がある. しかし, 一方でそれらの結果を反証する報告も存在する. 本報告では,小学4年生RD (N=13) を対象にreading課題とnon-reading課題において眼球運動軌跡を他覚的に測定し, 検討を行った. 普通学級に在籍する学習に問題のない小学4年生 (N=20) を対照とした. 対照群に比べ, RD群はreading課題に際し, 衝動性眼球運動回数の増加を認めるとともに, 2種類のnon-reading課題時にはターゲットへの反応回数の低下を認めた. この結果は, 衝動性眼球運動障害がRDの原因のひとつであることを示唆する.

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© 日本小児小児神経学会
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