脳と発達
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乳児重症型先天性筋疾患が疑われていたMöbius症候群の1例
今村 善彦富士川 善直小牧 宏文中川 栄二須貝 研司佐藤 典子佐々木 征行
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2007 年 39 巻 1 号 p. 59-62

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抄録

出生直後より筋緊張低下を示し, 呼吸障害, 嚥下障害のため呼吸補助と経管栄養が行われ, 仮面様顔貌, 呼吸障害, 嚥下障害, 筋緊張低下が続くため乳児重症型先天性ミオパチーあるいは先天性筋緊張性ジストロフィーなどの先天性筋疾患が疑われていたMöbius症候群の9カ月女児を報告した.筋電図では異常なく, 顔面神経・舌咽神経・迷走神経・舌下神経麻痺の存在からMöbius症候群を疑った.脳幹部MRIで顔面神経中枢側の狭小化と脳幹部低形成を認め, 診断に至った.乳児重症型先天性筋疾患を疑わせる症状を呈する乳児に顔面神経麻痺を含む複数の脳神経麻痺の合併を認めた場合, Möbius症候群も疑って脳幹部をMRIで薄切して観察することは診断上重要である.
顔面神経麻痺, 嚥下障害, 先天性筋疾患, Möbius症候群, 脳幹部MRIで薄切して観察することは診断上重要である.

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© 日本小児小児神経学会
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