脳と発達
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Valproate sodiumによる夜尿の出現/遷延の臨床的検討
横山 淳史斎藤 義朗前垣 義弘大野 耕策
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キーワード: 夜尿症
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2007 年 39 巻 3 号 p. 227-228

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抄録

Valproate sodium (VPA) が夜尿・昼間遺尿の発症や遷延に関与した小児てんかんの5例を経験した, 投薬開始年齢は6-12歳, 開始または増量直後から頻回の夜尿が出現した. 1ヵ月-15年後にVPAの副作用を疑われ, VPAの減量/中止や他剤への変更により全例で夜尿が消失した. 夜尿の経過中, 2例では尿路形態や膀胱機能について精査され, 異常所見はなかった. 4例では投薬開始時に幼児期からの夜尿が残存しており, VPAの副作用に気づくのが遅れた一因となっていた. 抗コリン薬・抗うつ薬は2例で使用され, VPA投薬中には効果は部分的だった. 全例とも減量, 変更による原疾患の増悪は認めていない.

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© 日本小児小児神経学会
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